アイディアを形にする『ワニーニのぼうけん』
そして次につくったのが、婦人之友社から出したワニーニの本です。婦人之友社がたぶん百年ぶりくらいに出した本じゃないかな。
すごい影響を与えましたね、それはね。
ええ。婦人之友社は、雑誌『婦人之友』を出版しています。村山夫妻や武井武雄さんが活躍されていた時代に、絵本を作っていましたけど、それ以降、上製本は出していないと思います。
向こうから声がかかったんですか?
婦人之友でワニーニの連載をしていまして、それでそれをまとめてみないかという話になりました。さっき、イタリアに留学したって言ったじゃないですか?だから、イタリア生まれのワニの男の子が冒険する話を作ろうと思って。それでワニーニ。
「パニーニ」からの「ワニーニ」ですか?
その通り。お父さんがワニーノ、お母さんがワニーネ、お姉さんがワニーヌ、って言うんです。「なにぬねの」でいいかと。
決め方が適当ですね。
そうです。ワニーニは、今までで出している本の中でもっとも字数が多い絵本です。そういうのも書いてみたいな、と思って書きました。
文章は亀山さん書かれるんですか?
二人で、文をキャッチボールして書くんです。書いて、いったん預けて、でまた戻して。
本当に共同制作なんですね。
そうですね。色合わせは向こうが得意だったり、顔を作るのは僕がやったりしていますが、それ以外はだいたい当日調子がいい方がつくります。役割分担はあんまり決めてない。作りたいものを作る。
元アイディアは?
元アイディアは僕が多いですかね。僕はアイディアが出た時点でもう大満足して、お酒飲みに行っちゃうタイプなので。
奥さんが形にしてくれる?
あっ、一緒にです(笑)。アイディアを出すと、思いついちゃったから作らないと!という気持ちになります。
なるほど。そうやって自分を追い詰めるんですね。
あー頑張んなきゃ、アイディア出っちゃったしみたいな感じですね。絵本づくりは、めんどくさいことも結構あるんですよ。
しましまとかね。
絵をたくさん描かないといけないですからね。僕たちは一つ一つテンション保ちながら作っています。時にはめんどくさい時もありますけど、アイディア出たから、やっぱりせっかくですから、形にしようと思いながら作っていますね。ワニーニは喜んでくれる子が多いので続編を出したいと思っています。
待望しています。